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FASS検定|導入事例

森永乳業

1: FASSを導入した背景と経緯は?

1: 本社、連結子会社、事業所の経理責任者をスピード養成するため

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 弊社には本社のほかに販売支店、工場、センターといった経理単位となる事業所が全国に27カ所あります。さらに連結子会社が30社。その事業所、連結子会社ごとに経理を完結させ、本社財務部が集約する仕組みです。つまり、それぞれに経理全般に加え、会社の経理の仕組みを把握する人材が一人ずつ必要になるのです。

10年ほど前に、弊社も大きな世代交代の節目を迎えました。全社的に定年退職者が大量に生じ、大幅に社員層が若返ったのです。それは財務部社員もしかりでした。次世代の経理責任者をスピード養成するためには、従前に行っていたような、年に1、2回の研修ではとてもカバーできそうにありません。その後少しして、FASSの存在を知りました。調べてみると、経済産業省が始めた、肝いりの経理・財務の検定プロジェクト。また、非常に実務的なうえ、受け身ではなく能動的に取り組めるツールだと判断。導入に向けて動き始めました。

2: FASSの導入対象(受験対象)とその狙いや教育体系の位置づけは?

2: まずは財務部全員で受験。その後、新教育体系の軸にFASSを据えた

 2007年、まずは財務部全員で試験的に受験。15名のうち、4名がAランクを獲得しました。この取り組みを踏まえて、経理・財務人材の養成プロジェクト「森永経理大学(新)」を立ち上げ、その目標を「FASSのAランクの取得を目指す」としたのです。

経理大学の対象者は、近い将来、支店や工場など事業所の事務責任者になる可能性のある人材で、「自ら受講を希望する者」。彼ら、次世代の経理責任者を中心に、事業所の経理責任者、弊社の社内用語で「経理チェッカー」(※経理伝票に関して、社内規定や会計基準、税法といった社外規則・法令に関するチェックを行う役割を付与された者)と呼ばれているスタッフ、連結子会社の経理社員、そして事務業務に従事する社員にも広くFASSの受験を啓発しています。

経理大学のコンセプトは「自主的な取り組みをベースにした責任者の育成」ですから、FASS受験にも相応の心構えが求められます。「手を挙げた以上、Aランクを取るまでやる」という気概で取り組んでもらっています。

3: 対象ごとに要求するFASSのレベルは?(昇格条件など処遇とのリンクもあれば)

3: 役職、経験年数にとらわれず、Aランク獲得が目標

FASSのレベル・受験データ

 これまで、当社グループで52名のAランク取得者が生まれました。要求するレベルとしては、まず財務部メンバーはAランクが必須。同じく、事業所の経理責任者を目指す経理大学受講者もAランクが求められます。そして、経理チェッカー、連結子会社の経理社員、事務系の社員には最低でもBを目指すことを推奨しています。

ただ、課長だからAランクとか、係長はBランクといったように、役職や経験年数とFASSランクを対応させようとは考えておりません。将来的には、Aランク取得は目標ではなく「最低限の資格」として捉えていきたい。先に申したとおり、弊社の経理は事業所完結型が特徴ですから、財務部だけが突出しても意味がありません。事業所はじめ、全体の経理スタッフが一団となってスキルアップしていかなければならないのです。

4: 今後の教育上の課題は?

4: 受験者の母数を増やし、全社の経理レベルを底上げしたい

 今後の課題は「受験者の母数をいかに広げていくか」ということです。過去の受験者の取り組みを見ていても、従前のような「受けて終わり」の講習に比べ、実務に直結する経理の実力が格段に向上しています。経理に限らず、販売や生産部門の人材も、FASSは取り組んで損のないスキルです。個人のキャリアアップに役立ててもらえるよう、バックアップは惜しみません。初回のFASS受験料は会社が負担。2回目以降は自己負担になりますが、Aランクを取得した場合は会社が負担します。

昨年度は当社グループ全体で約80名が受験し、5年間累計の受験者数は、のべ300名となりました。将来的には500名レベルに受験者を広げ、その集団をA・Bランクの塊にし、弊社グループの経理レベルをボトムアップしていきたいと考えています。

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