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JACFOの歩み

ご挨拶

2023年6月に開催されました社員総会での決議により日本CFO協会の理事長に就任しました小口正範です。
新たに理事長に就任するにあたり、13年の長きに亘り協会の舵取りをなさってこられた前任の藤田純孝様のご尽力に対し改めて敬意を表すると共に、その卓越した見識、手腕の後を引き継ぐ者として身の引き締まる思いがいたします。
日本CFO協会は2000年の発足以来本年で23周年を迎えますが、それは失われた20年、或いは30年と呼ばれるわが国の経済的停滞期間に重なっております。この間、企業価値向上の要となるCFOが如何にすれば日本企業に定着できるか、国際協調、言葉を変えれば激しい国際競争の荒波の中でCFOが如何にその役割を果たし、企業価値向上につなげられるか、会員の皆様、或いはCFOとして実務の最前線に立たれている方々との交流を通じて真摯に検討を続けてまいりました。
またこの期間は、コーポレート・ガバナンスやESGなど企業の在り方を巡る国際的な議論に揺れ動いた時期でもありました。皆さまご承知の通り、日本は食料、エネルギー資源といった国民の日常生活に欠かせない物資の多く海外に依存しております。このことは必然的にわが国及び企業が国際社会の中でどのように行動し、どのような役割を果たす、或いは果たすべきか、という問題と真正面から向き合わざるを得ないことを意味します。就中、価値創造の母体である企業にとって、この問題は直接的、間接的にその死活につながる重要な課題として、様々な観点から検討、考察がなされてまいりました。
加えて、私たちは今、これまで漠然と所与のものと考えてきた国際社会の在り様それ自体に大きな変化が生じていることを直視しなければなりません。
これまでは、国連を中心とする政治体制や国際金融システムなどを基軸とする経済体制の中で、多少の波風はあれ、グローバリズムという大きな枠組みの中で、わが国或いは企業が進むべき方向性はある程度明確であったように思います。しかしながら、コロナ・パンディックやロシアのウクライナ侵攻などが契機となって、現実の問題として、これまでの安定した(或いは深いマグマとして表面化してこなかった)国際社会の在り方について新たな問いが投げかけられ、その解を巡ってややもするとグローバリズムとは相反する動きがみられるのも事実です。
一方で、地球温暖化対策といった比較的小さな泉に源を発しつつも次第に大きなうねりとなり、遂にはこれまで人類文明を支えてきた炭素消費型社会から一挙に脱炭素社会に転換するといった、非連続的で、地球規模の巨大なイノベーションが現実的な問題として私たちの視野に入ってきました。
更には、AI、クローン技術などの幅広い分野での科学技術の急速な発展が、人間とは何か、人間の幸福とは何か、といった新たな哲学的な問いを新たに私たちに投げかけています。即ち、こうした巨大な時代のうねりが、先ほど申し述べたように、社会において新たな分裂を生み、これまで所与のものとしていた普遍的な価値認識及びそのマチュリティを根源から問い直すモメンタムになっています。
しかしながら、私たちはこの大きな問題から逃げるわけにはまいりません。このような時代背景を認識しつつ、また明確な着地点を指し示す時代のビーコンが必ずしも見当たらない中で、価値を社会に提供する実力組織としての企業をどのようにリードし、新たな価値を社会に提供してゆくか、形を変えれば、どのような形で企業価値の向上を追求してゆけばよいのか、CFOがチャレンジすべき課題は一層深く、大きくなっていると思います。
資金の出し手である金融機関や投資家も、また価値創造の担い手である労働市場も、この大きな流れの中で必死に解を求めて暗中模索を繰り返しているように思います。そのような状況の中で、もう一度原点に立ち返り、「CFOとは何者か」「CFOとは何をすべきか」というシンプルな問いに真正面から向き合い、この複雑な方程式を解くといったある意味わくわくする課題にしっかり挑戦してゆきたいと考えています。
これからも会員の皆様のご期待に沿えるよう、新たな気持ちで、また新たな視点で、サービスを提供して参りたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人 日本CFO協会
理事長 小口 正範

 

JACFOのミッション

CFOを育て、日本における企業経営のグローバルスタンダードを確立する
グローバル規模のビジネス競争が激化し、企業を取り巻く経営環境が一段と不透明さを増す中、会計の国際化への流れや企業の透明性を求める資本市場の動きは、本格的なコーポレート・ガバナンスの強化を日本の企業経営に迫っています。いかにして収益性を高め、資本市場への透明性を高めていくのか…経営環境や社会構造の変化に対応した経営モデルの再構築は、グローバル展開した企業経営のリスクマネジメント機能の強化とともに、日本企業の喫緊の課題となっています。
こうした課題をクリアするには、市場・社会対応型の経営モデルをリードするCFOを育て、日本における企業経営のグローバルスタンダードを確立することが必要です。
このミッションを実現するため、JACFOは国内外のネットワークから経営・財務に関する最先端の概念・手法を入手して調査・研究を進め、その成果を軸に教育プログラムを構築。経営・財務に関する高い技術と倫理観を持ったCFOの育成に努めるとともに、CFO機能強化のための支援活動を展開しています。

全体像

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