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FASS検定|導入事例

1: FASSを導入した背景と経緯は?

1: 不得手分野を把握し、スキルアップのきっかけに

弊社の場合、専門性を持った人材が経理・財務部門に配属されるとは限りません。それはHONDAの企業文化によるもので、現場で仕事をしながら知識や経験を身につけていくことを基本としているからです。

「現場に行く」「現物(現状)を知る」「現実的であること」を行動指針とした「三現主義」は、経理・財務の部門でも変わりがありません。
セクショナリズムを排し、常に組織に刺激を与えていくという精神が長年にわたって貫かれています。
そうした企業文化においては、人材の育成がきわめて重要な課題になります。また、現場で経験のある分野には精通していても、経験のない分野は不得手という問題も出てきます。

FASSを受験することで、自分自身の現状を客観的に把握し、刺激を受け、スキルアップを目指してほしい。そう考えてFASSの導入を決定しました。

2: FASSの導入対象(受験対象)とその狙いや教育体系の位置づけは?

2: 入社10年未満を対象にほぼ全員が受験

第1回の試験は30代前半くらいの中堅どころ、第2回の試験では20代の若手といった形で受験をしてもらいました。

弊社では入社7年目以降あたりからチームリーダーとして、それまで蓄積してきた経験を発揮してもらう立場へステップアップしてもらうイメージを持っています。そのクラスの人たち、およそ入社10年未満の人を対象としています。

入社10年を過ぎると、経理・財務部門のスタッフも海外の事業所へ赴任する割合が非常に高くなります。事業所の規模にもよりますが、経理・財務のすべてを1人で担当するケースも生じてきます。そうした異動も想定した上で、FASSを通じて、経理・財務の各分野において基礎的な知識を身につけてほしいと考えています。

3: 対象ごとに要求するFASSのレベルは?(昇格条件など処遇とのリンクもあれば)

3: 実務経験がスコアに反映。キャリアパスや育成方針の参考にも

入社6年未満の層でもCクラスは取ってほしいというイメージはあります。
ただし会社として、あるクラスを要求しているわけではありません。

昇格条件などとのリンクも現状ではありません。あくまでOJTの一貫として受験してもらい、スキルアップをはかってほしいというスタンスです。これまでの受験者の結果を見ると、実務の経験年数が長いほどスコアも高くなっています。これは実務的なスキルが反映されているということで、キャリアパスや育成方針の参考になると思います。

FASSの結果は直属の上司にフィードバックしていますので、人材育成に活用していくという位置づけになっています。

4: 今後の教育上の課題は?

4: 専門性をいかに高めるか。本社以外のスタッフをどう育てるか

教育上の課題は大きく二つあると考えています。一つは、専門性をどう高めていくかという問題です。FASSの導入も専門性を高める目的に沿ったものです。もう一つは、本社以外の経理・財務スタッフの人材育成です。

現状でFASSを受験しているのは、本社に在籍する若手・中堅中心の六十名程度です。日本全国の事業所と海外事業所にも、多くの若手・中堅スタッフを配置しており、彼らにもFASS を含めた教育を水平展開していきたいと思います。業務負荷の問題などもあり、調整が難しい面もあるのですが、できるだけ早い時期に水平展開を実行段階に移したいと考えています。

全社的に専門性やスキルを底上げしていくことが、いちばんの狙いであると同時に、大きな課題でもあると考えています。

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