日本CFO協会公式ホームページ
会員サイトにログイン お問い合わせサイトマップリンク集

CFOが直面する課題に対応するには 「効率化」と「ビジネス洞察力」のさらなる向上 〜IBM Global CFO Study 2010からの洞察〜

IBM Global CFO Study 2010の詳細はこちらへ
» IBM Global CFO Study 2010の
詳細はこちらへ
開催日
2010年9月2日(木曜日)
9時から13時(開場:8時30分)
会場
ホテルニューオータニ
ザ・メイン宴会場階「AZALEA」
東京都千代田区紀尾井町4-1
TEL 03-3265-1111(代表)
対象
経営者、役員、部門長の方
参加費
無料/事前登録制

日本IBMは、「IBM Global CFO Study 2010」を2年ごとに実施しており、今回で4回目を迎えた。本調査は、2009年3月〜8月にかけて、日本からの参加企業128社を含む、世界81カ国、1900社以上のCFOや経理・財務上級管理職を対象に行われた。大手企業中心であるが、企業規模、業種等において様々な企業から構成されており、CFOレベルの調査では最大規模のものである。

 

CFO Study

CFO Study 2010調査概要(日本)

◆ 期待されるCFOの役割とは

講演者写真

リーマンショック後、世界経済の不確実性が増す中で、企業の経理・財務部門、特にCFOが果たすべき役割は拡大する一方である。経理・財務部門は何を目指し、具体的に何をすれば企業業績に貢献できるのであろうか。こうした問いに対して、@求められるのはどのような経理財務モデルなのか、A的確な情報に基づくタイムリーな意思決定を可能にするためにCFOにできることは何か、BCFOは経営環境の予測対応にどう貢献できるのか、をテーマに経理・財務部門が果たすべき役割や課題を探ることを目的に実施された。その結果を要約すると以下の通りである。

  1. CFOの役割は、以前に比べてより企業グループ全体に及ぶようになった。CEOがこの激動の時代に頼りにするのはCFOである。
  2. 経理・財務部門の業務効率化はいまだ道半ば。特に日本企業の経理・財務部門の効率化はグローバル企業に比べて遅れているように見える。
  3. 経理・財務部門が効率化と洞察力の両方を備えたバリュー・インテグレーター(注)になることで、会社業績に貢献することが可能であるし、各種指標もそれを証明している。
  4. 日本はバリュー・インテグレーターの数が圧倒的に少ない。経営企画や経営戦略と経理・財務部門が分離されているのも一因。しかし今後もこのままでよいのか。

(注) バリュー・インテグレーター: IBMの「The Global CFO Study 2010」において、「業務の効率化とビジネスの洞察力が優れ、絶えず改善を図っている経理・財務部門」という意味で使用。

◆ 「業務効率化」と「ビジネス洞察力」

本調査では、経理・財務部門に必要な能力を「業務効率化」と「ビジネス洞察力」の大きく2つにカテゴライズ化した。そしてその両方を備えた企業群を「バリュー・インテグレーター」と分類している。対極にあるのが「スコアキーパー」であり、これは伝統的な経理・財務部門の役割に留まっている企業群である。また、業務効率は高いが、ビジネス洞察力が低い企業群を「効率的な報告者」、ビジネス洞察力は高いが、業務効率が低い企業群を「従来型経営参謀」としている。

経理財務部門の企業全体にフォーカスした役割拡大への対応

グローバル

それぞれのタイプを収益成長率、EBITDA、投下資本利益率(ROIC)の3つの指標で比較した場合、「バリュー・インテグレーター」は、他3つに分類されたタイプよりも良い経営成績を残している。特にEBITDAに関しては圧倒的な差がついた。企業経営において業務効率促進要因、ビジネス洞察力促進要因を構成する7つの項目をすべて達成することはとても難しいことであるが、やり遂げた企業は何らかの果実を経営成績として受けとっていると推測できる。
また、「バリュー・インテグレーター」が、会社全体の情報統合における効率化を推進していることは特筆すべきことである。ここでは他タイプと比して3倍近い差が出ている。日本企業の場合、会社全体の情報統合はCFOの役割ではないと考えがちであるが、「バリュー・インテグレーター」では、CFOが自身の課題として明確に認識しているのが分かる。

◆ 日本企業の課題

講演者写真

日本企業における「バリュー・インテグレーター」は128社中10社であり、残りの企業の大半が「スコアキーパー」と「効率的な報告者」に分類された。世界各国の企業を見ると、日本企業に比して「バリュー・インテグレーター」の比率が高い。日本8%に対して、グローバルでは23%の企業が「バリュー・インテグレーター」に分類された。
この結果は、経理・財務部門と経営企画・戦略部門が別々に存在している日本企業の特徴を現しているものかもしれない。そのような組織のあり方の相違があるとしても、効率性と洞察力双方に課題が見られる「スコアキーパー」の割合が日本はグローバルに比べて多く、経理・財務部門においての効率化はいまだ多くの課題を抱えていると言わざるを得ない。
日本企業が「バリュー・インテグレーター」を目指すためには、データ、プロセス、テクノロジーの幅広い領域で改善を推進する必要がある。しかし、日本企業の経理・財務部門の現実として、業務効率化の面では、人員削減や度重なる会計基準の変更、グローバル展開への対応などで、疲弊している中でのチャレンジになる。加えてビジネス洞察力をも磨かねばならないとなると、ハードルはかなり高い。

バリュー・インテグレーターが改善を推進している領域

◆ 拡大するCFOの責任範囲

講演者写真

特に複雑化し膨大になっている財務情報をどう活用するのかが大きな課題である。テクノロジーの活用は必至であり、事業に精通し、かつ的確な分析のできる人材の育成が急務であろう。また、連結経営管理はIFRS基準で行うのか、ローカル基準で行うのか。その際、経営指標(KPI)は何を選択するのかという問題もある。日本企業は伝統的に経理・財務部門と経営企画部門とが分離しており、経理・財務部門がビジネス洞察力を高めるためには、部門間の融合を図る必要があるかもしれない。
今日のCFOは、年々、責任範囲が拡大している。過去の調査と比較しても、従来の経理・財務部門に限定された業務から、成長戦略、全社的なコスト削減、情報統合、リスク管理といった企業活動全体にフォーカスした領域にCFOの役割が拡大しているのが分かる。欧米企業ではCFOがCEOの片腕として、大きな権限と責任を持っているが、日本企業でもCFOはそうした存在になりつつある。その際、「バリュー・インテグレーター」としての経理・財務部門をいかに構築していくかが、CFOの重要なミッションになるであろう。 

*本稿は2010年5月14日開催の「ファイナンス担当エグゼクティブ・セミナー」の講演内容をまとめたものです。

» ファイナンス変革のためのエグゼクティブ・セミナー
開催日
2010年9月2日(木曜日)
9時から13時(開場:8時30分)
会場
ホテルニューオータニ ザ・メイン宴会場階「AZALEA」
東京都千代田区紀尾井町4-1 TEL 03-3265-1111(代表)
対象
経営者、役員、部門長の方
参加費
無料/事前登録制