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日本IBMは、「IBM Global CFO Study 2010」を2年ごとに実施しており、今回で4回目を迎えた。本調査は、2009年3月〜8月にかけて、日本からの参加企業128社を含む、世界81カ国、1900社以上のCFOや経理・財務上級管理職を対象に行われた。大手企業中心であるが、企業規模、業種等において様々な企業から構成されており、CFOレベルの調査では最大規模のものである。
◆ 期待されるCFOの役割とは![]() リーマンショック後、世界経済の不確実性が増す中で、企業の経理・財務部門、特にCFOが果たすべき役割は拡大する一方である。経理・財務部門は何を目指し、具体的に何をすれば企業業績に貢献できるのであろうか。こうした問いに対して、@求められるのはどのような経理財務モデルなのか、A的確な情報に基づくタイムリーな意思決定を可能にするためにCFOにできることは何か、BCFOは経営環境の予測対応にどう貢献できるのか、をテーマに経理・財務部門が果たすべき役割や課題を探ることを目的に実施された。その結果を要約すると以下の通りである。
(注) バリュー・インテグレーター: IBMの「The Global CFO Study 2010」において、「業務の効率化とビジネスの洞察力が優れ、絶えず改善を図っている経理・財務部門」という意味で使用。 ◆ 「業務効率化」と「ビジネス洞察力」本調査では、経理・財務部門に必要な能力を「業務効率化」と「ビジネス洞察力」の大きく2つにカテゴライズ化した。そしてその両方を備えた企業群を「バリュー・インテグレーター」と分類している。対極にあるのが「スコアキーパー」であり、これは伝統的な経理・財務部門の役割に留まっている企業群である。また、業務効率は高いが、ビジネス洞察力が低い企業群を「効率的な報告者」、ビジネス洞察力は高いが、業務効率が低い企業群を「従来型経営参謀」としている。
それぞれのタイプを収益成長率、EBITDA、投下資本利益率(ROIC)の3つの指標で比較した場合、「バリュー・インテグレーター」は、他3つに分類されたタイプよりも良い経営成績を残している。特にEBITDAに関しては圧倒的な差がついた。企業経営において業務効率促進要因、ビジネス洞察力促進要因を構成する7つの項目をすべて達成することはとても難しいことであるが、やり遂げた企業は何らかの果実を経営成績として受けとっていると推測できる。 ◆ 日本企業の課題![]() 日本企業における「バリュー・インテグレーター」は128社中10社であり、残りの企業の大半が「スコアキーパー」と「効率的な報告者」に分類された。世界各国の企業を見ると、日本企業に比して「バリュー・インテグレーター」の比率が高い。日本8%に対して、グローバルでは23%の企業が「バリュー・インテグレーター」に分類された。
◆ 拡大するCFOの責任範囲![]() 特に複雑化し膨大になっている財務情報をどう活用するのかが大きな課題である。テクノロジーの活用は必至であり、事業に精通し、かつ的確な分析のできる人材の育成が急務であろう。また、連結経営管理はIFRS基準で行うのか、ローカル基準で行うのか。その際、経営指標(KPI)は何を選択するのかという問題もある。日本企業は伝統的に経理・財務部門と経営企画部門とが分離しており、経理・財務部門がビジネス洞察力を高めるためには、部門間の融合を図る必要があるかもしれない。 *本稿は2010年5月14日開催の「ファイナンス担当エグゼクティブ・セミナー」の講演内容をまとめたものです。
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